掬う

偶然ということについて考えることがある。


世の中には
「偶然は必然だ」
という人もいるだろうし
「偶然なんてただの偶然でしかない」
という人もいるだろう。

(中略)

「自分の所へやってきた出来事を、
自分がきちんとキャッチできずに通り越してしまったら、
その人にとってその出来事は全く起こらなかったも同然なんだよ。」


(中略)




偶然はもしかして

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その時偶然に見えるだけで


本当はやっぱり起こるべくして
起こったのかもしれない。




(中略)


耳を澄まし、五感を柔らかくひらき、
人生に流れてくる偶然を、
すっと両手で掬い上げることができたなら。


きっと一見変わらない日々には、
無数の小さな輝きが
星屑のようにちりばめられている。



それが見えてきそうな気がしている。


そらいろいろ 小澤征良 平成19年9月7日(金)日経MJより